本書においては、相対論的な場の量子論の基本的な構成がスケッチされるとともに、そこにおける主要な計算方法である共変的な摂動論の基礎が、幾つかの具体的な計算例とともに丁寧に解説されている。これまで自分ではペンを持ち計算をしたことのない学生でも、本書に従ってゆっくりと進んで行けば、摂動計算の基本的なテクニックを身につけることが出来る。場の量子論の修得を目指す学生なら誰もが読む必要のある本格的教科書をフルコースに例えるなら、本書は上記の内容に的を絞り込んだ軽いサンドウィッチといったところだろう。両者が相補的に活用されれば一層の学習効果も期待出来る。また、場の量子論に現われる各種の場の演算子についてのいろいろな公式がまとめられているので、実際に研究現場にいる方々にも「場の量子論・摂動計算の公式集」としての利用価値があるだろう。
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